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【居場所を探して】映画『泣きたい私は猫をかぶる』のあらすじと感想・考察

さて、今回は映画『泣きたい私は猫をかぶる』について書いていきます。

『ペンギン・ハイウェイ』を手掛けたスタジオコロリドの、長編アニメーション映画第2作です。

猫と人間の世界を行き来しながら居場所を探す青春ファンタジーです。

パンダ
パンダ
居場所が見つからない苦しさや葛藤に、心が締め付けられました

映画『泣きたい私は猫をかぶる』のあらすじ

あの子に近づくため、私は猫になる。

笹木美代は明るく陽気で、空気を読まない女の子。クラスメイトには無限大謎人間=ムゲと呼ばれていて、クラスメイトの日之出賢人に恋心を抱いていた。

ムゲは日之出にアタックし続けるも、全く相手にされない日々。家に帰っても居場所は無い。

だけど、そんな彼女にはある秘密があった。

ある夏休みの夜、猫の店主から不思議なお面を受け取ったムゲは猫へ姿を変えられる。このお面を使い、ムゲは定期的に猫として日之出の家に行っていたのだ。

猫の太郎として日之出に近づけば、いつも可愛がってもらえる。人間の時は、いつも距離を取られてしまうのに。

猫でいれば自由で幸せ、大好きな日之出ともずっと一緒に居られる。猫の姿に心地よさを感じていると、猫の店主が現れる。

人間を捨て猫として生きることを迫られたムゲは、本来の姿に戻れなくなり、人間の言葉が理解出来ない完全な猫へと近づいていく。

映画『泣きたい私は猫をかぶる』のキャスト・スタッフ

監督

監督は、佐藤順一監督と柴山智隆監督です。

佐藤監督は、劇場・テレビ・Webと媒体問わず広くアニメ監督として活躍されています。1995年の『ユンカース・カム・ヒア』では第50回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞しました。

柴山監督は、スタジオジブリに入社し『千と千尋の神隠し』などに関わった経歴があります。本作が監督デビュー作品です。

キャスト

佐々木美代(ムゲ)志田未来
日之出賢人花江夏樹
深瀬頼子寿美菜子
伊佐美正道小野賢章
楠木先生小木博明
猫店主山寺宏一

脚本

脚本は、岡田麿里さんです。

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』や『心が叫びたがってるんだ。』などの脚本を手掛けています。

また、『さよならの朝に約束の花をかざろう』では監督も務め、第21回上海国際映画祭アニメーション最優秀作品賞を受賞しました。

主題歌

主題歌は、ヨルシカ『花に亡霊』です。

2017年に結成されて以降、詳細なプロフィールは公開されておらず、先入観で音楽を聴いてほしくないというコンセプトで活動しています。

本作には、主題歌に加え、挿入歌『夜行』が提供されています。

映画『泣きたい私は猫をかぶる』の感想

『ペンギン・ハイウェイ』以来、スタジオコロリドにずっと注目してきました。もちろん今回の劇場公開もずっと楽しみにしていました。

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しかし、新型コロナの影響で、Netflixでの公開に変更。これを機会にスタジオコロリドが世界に羽ばたくきっかけになれば良いなと思います。

本作は猫と人間を行き来する構成になっています。

その設定が面白く、猫と人間の対比が徹底的に描かれていて、同じ行動を取った時のギャップが楽しかったです。

また、二つの姿の間で、葛藤をする美代に心が締め付けられます。

猫になれば可愛がってもらえると分かっているからこそ、普段の日之出の素っ気ない対応は切ない気持ちになります。

さらに、真正面からきつい一言を浴びるシーンもあり、この場面は相当辛く泣きたくなってしまいます。

そうしたストーリーだけでなく、スタジオコロリドの上下の動かし方はやはり一級品です。本作も面白い表現がいくつも登場し、どれも印象的なシーンに仕上がっていました。

自分の居場所を見つけられずに悩む人にとっては、美代が抱える様々な苦悩・葛藤を通して、少しは気持ちが楽になる作品だと思います。

あなたも、いざ猫の世界へ!

【ネタバレ】映画『泣きたい私は猫をかぶる』の考察

居場所

本作のストーリーは「居場所」をテーマにしています。

人間にとって居場所は非常に重要な役目を担います。職場や学校などあらゆる場所で、自分が貢献出来ている感覚を持てることが居場所感を増すために必要です。

しかし、誰かの居場所を守るために、その場所から排除される人が存在します。

美代のように親から捨てられたり、いじめを受けるなどはその例の一つです。

インターネットの発達とともに、誰ともどこでも繋がれるようになり、居場所を感じにくくなった人もいるでしょう。

さらに、AIや機械による自動化は、コロナをきっかけに加速するかもしれません。

そうなると、ますます社会は流動的になり、居場所の見つけにくい社会になるでしょう。

そんな今まさに起きている、起きそうな問題をテーマにしているので、何となく不安や疎外感を感じた時に寄り添ってくれる作品になるだろうと思います。

お面の意味

人は社会生活を送る上で、様々なお面をかぶっています。

電話する時のお面、会社にいる時のお面、好きな人と過ごす時のお面など、関わる人や方法によって、自分の姿は変わるものです。

美代も、普段は明るく陽気な性格に見えますが、実際は多くの悩みを抱えています。

猫と人間の間で葛藤する美代の姿は、様々なお面を使って生きる現代人と重なる所があるでしょう。

本作は、そんなことをお面を使って表現していたと感じます。

さいごに

今回は映画『泣きたい私は猫をかぶる』を紹介しました。

猫と人間、二つの姿の間で葛藤しながら、自分の居場所を探していくストーリーです。

気になる方は、ぜひご覧ください。