今村昌弘さんのデビュー作『屍人荘の殺人』が映画化されました。
デビュー作にして異例の主要国内ミステリー賞4冠を果たした話題作が、超豪華なキャスト・スタッフで映画ならではの形に生まれ変わります。
ミステリーの好き嫌い関係なく楽しめる作品です。
映画『屍人荘の殺人』のあらすじ
2人のホームズ、1人のワトソン。
ミステリー愛好会に所属する明智恭介と葉村譲は、学内のあらゆる事件を勝手に推理し答えを探す自称探偵と万年助手。
ある日、女子大生探偵・剣崎比留子からロックフェス研究会へ届いたという謎の脅迫状の存在を知らされ、3人でロックフェス研究会の合宿に参加することに。
山奥のペンション「紫湛荘」に到着した夜、3人はフェスに参加したがゾンビが大量発生する異常事態に巻き込まれ、明智はゾンビの餌食になってしまう。
さらにゾンビに怯え不安な夜を過ごす最中にペンションでまさかの殺人事件が発生する。
この奇想天外な状況で、剣崎と葉村はこの謎を解き明かす事が出来るのか?
映画『屍人荘の殺人』のキャスト・スタッフ
監督
監督は、木村ひさし監督です。
テレビドラマ『ATARU』や『99.9-刑事専門弁護士-』、『民王』など数々の話題作を担当し、ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞しました。
本作でも、木村監督のキャラクター作りとテンポの良さが光っています。
キャスト
剣崎比留子 | 浜辺美波 |
---|---|
葉村譲 | 神木隆之介 |
明智恭介 | 中村倫也 |
七宮兼光 | 柄本時生 |
菅野唯人 | 池田鉄洋 |
立浪波流也 | 古川雄輝 |
静原美冬 | 山田杏奈 |
重元充 | 矢本悠馬 |
剣崎比留子を浜辺美波さん、葉村譲を神木隆之介さん、明智恭介を中村倫也さんが演じます。
上記の他にも、佐久間由衣さんや葉山奨之さん、ふせえりさん、塚地武雅さんなどが出演しています。
今をときめく俳優陣の高い演技力が、本作への没入感を一層高めてくれます。
脚本
脚本は、蒔田光治さんです。
『TRICK』や『金田一少年の事件簿』などミステリー作品に定評があり、ドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』ではトリック監修を務めています。
主題歌
主題歌は、Perfumeの「再生」。
2019年に結成20周年を迎えるPerfumeの新曲「再生」が本作のエンディングを飾る。
【ネタバレ】映画『屍人荘の殺人』の感想・考察
めっちゃ面白かったです!
木村ひさし監督のテンポ感とユーモアさは、序盤から抜け目なく発揮されます。
終始飽きさせないテンポの良さは、『君の名は。』に代表されるような現代のヒット映画に多く見られます。
本作でもノイズ的にカットを多く含みながら、しかしそのノイズがキャラクターの魅力となり、絶妙なテンポ感とキャラクターの魅力を同時に引き出しています。
また、ラストシーンの明智ゾンビが登場するシーンは感慨深いモノでした。
ゾンビ化した明智は物理的側面では確かに明智です。しかし、感情的側面で見れば彼はもう別人であり明智とは言えないでしょう。この辺の記述は、伊藤計劃の『屍者の帝国』に似た感覚を抱きました。
物体と感情の分離を表現するために、「ゾンビ」という表現を用いた事が本作の面白さの一つです。
さいごに
性別年代問わず誰でも楽しめる映画です!
ミステリーにしては珍しい要素を織り交ぜた作品です。
ぜひ劇場でご覧ください!