さて、今回は映画『いちごの唄』について書いていきます。
原作は、脚本家の岡田恵和さんと銀杏BOYZの峯田和伸さんの共著『いちごの唄』です。
監督は日本テレビで『トドメの接吻』などドラマを多数手掛ける菅原伸太郎監督。今作が初の映画演出です。
映画『いちごの唄』のあらすじ
年1回、七夕の日に女神と会う。
不器用だけど優しい青年コウタは、10年前に親友・伸二と仲良く暮らしていた。
しかし、もう彼はいない。
あの日から10年後の七夕の日、コウタは高円寺で同級生の千日と偶然再会する。
コウタと伸二が女神と崇めていた千日との再会にテンションも上がり、毎年七夕の日に会う約束を取り付ける。
毎年の七夕を楽しむコウタだったが、突如千日から「もう会わないようにしよう。」と告げられる。
そして2人の距離は次第に疎遠になっていくが……
映画『いちごの唄』のキャスト・スタッフ
監督
監督は、菅原伸太郎監督です。
大学卒業後日本テレビに入社し、2013年にチーフ演出を務めた『泣くな、はらちゃん』が、東京ドラマアワードで優秀作品賞を受賞しました。
その後、『弱くても勝てます』や『トドメの接吻』などを手掛けます。
本作が初の映画演出です。
キャスト
笹沢コウタ | 古舘佑太郎 |
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天野千日 | 石橋静河 |
天野千日(中学生) | 清原果耶 |
ラーメン屋 | 峯田和伸 |
園長先生 | 宮本信子 |
主人公・笹沢コウタを古舘佑太郎さんが演じます。またクラスのマドンナ的存在である天野千日を石橋静河さんが演じます。
さらに、中学生時代の天野千日役として、注目の若手である清原果耶さんが出演しています。
脚本
脚本は、岡田惠和さんです。
2014年『さよなら私』で芸術選奨放送部門文部科学大臣賞を受賞し、2016年『奇跡の人』で文化庁芸術祭賞テレビ・ドラマ部門対象を受賞しました。
菅原監督とは、過去に『泣くな、はらちゃん』でタッグを組んだ経験があります。
主題歌
主題歌は、銀杏BOYZの『いちごの唄』です。
本作でラーメン屋店長としても出演する峯田和伸さんによるパンクロックバンドです。
また、本作は銀杏BOYZにインスパイアを受けた岡田惠和さんによるオリジナルストーリーとなっています。
映画『いちごの唄』の感想
青春をギュッと詰め込んだ甘酸っぱい物語。
恋のドキドキや切なさ、親友とのハチャメチャな思い出。そんな甘さ、苦さ、酸っぱさを全部混ぜたような作品です。
故郷を離れて高円寺で偶然再会した二人が、毎年七夕に会うという設定も面白みがあります。
また、その七夕が親友の命日であることから深みが生まれていきます。親友の死をそれぞれ抱えながら生きてきた二人が異なる感情を抱いていきます。
子どものまま大人になったようなコウタと、闇を抱えながら大人になった千日の絶妙な絡みは癖になるでしょう。
不思議な三角関係によって展開されるストーリーが魅力的で、ラストシーンもグッと来るものがありました。
【ネタバレ】映画『いちごの唄』の考察
冷食
コウタは冷食メーカーで働いています。
普段の食事も冷食で、映画も冷食をチンするカットから始まります。
この冷食を温めるコウタが、千日の溶けないわだかまりを溶かしていく様子と重なりました。
千日紅
千日紅は名前の通り、色があせにくいことで知られています。
花言葉も「色あせぬ愛」、「不朽」です。
この言葉から千日という名前に込めた思い、伸二がストロベリーフィールドと名付けた理由が分かります。
またストロベリーフィールドと呼ばれる黄花千日紅は、冬を越せる多年草ですからコウタと何となく重なります。ちなみにコウタはよく黄色い服を着ていました。
さいごに
今回は映画『いちごの唄』を紹介しました。
青春時代に感じた様々な思いが入り混じる作品です。
気になる方ぜひご覧ください!