五十嵐大介氏の初長編漫画『海獣の子供』を原作に、注目を集めるアニメスタジオ・STUDIO4℃が映画化。
劇中の音楽を久石譲氏、主題歌『海の幽霊』を米津玄師氏が手掛けます。
吸い寄せられるように各界で活躍する異才達が集結し一つの作品となる奇跡。スクリーンから伝わるメロディーに誰しも圧倒されるでしょう。
映画『海獣の子供』のあらすじ
ソングに導かれるように、長い夏休みが始まった。
中学生の琉花は夏休み初日に友達と衝突。母親とも距離を置いていた琉花は居場所を失ってしまう。
「今年の夏休みはもう終わりだ」とふてくされる琉花は父の勤める水族館へ。そこで琉花は偶然にもある少年と出逢う。
彼の名前は海。ジュゴンに育てられた少し不思議な少年だ。
海の兄・空とも出逢い、琉花は二人から知らない世界を案内してもらう毎日。楽しい夏休みを過ごしていた。
しかし気づけば地球上では次々に超常現象が起きていて…
巨大なザトウクジラが歌うソングが祭りの本番が始まることを伝える。
二人の少年と不思議な現象の関わりは何なのか、琉花はどうなってしまうのか。
映画『海獣の子供』の見どころ
幻想的な海と質量的な陸
映画を観ると映像の美しさに圧倒されるでしょう。
琉花が暮らす陸では錆や飲食物など時間を感じさせる世界、海中では光や音の神秘的な空間が広がります。
お互いの美しさを強調し合っている世界に呑まれていきます。
また、このギャップは映画の重要な要素でもある点と波を表現しています。
劇中の音
映像に圧倒されて音に注目している暇が無くなるかもしれませんが、是非劇中の音を堪能して欲しいなと思います。
まるで夏や潮の香りが漂って来るような音が聞こえます。
この映画の世界にどっぷり浸かってみましょう!
映画『海獣の子供』の感想
宇宙オタクを刺激するような要素が散りばめられていて非常に楽しかったです。
海をテーマに生命について考える広大なストーリーでありつつ、自分の無力感を感じないようになっています。
むしろ自分自身に広大な可能性が秘められていると感じられる映画です。
美しい映像と綺麗な音楽に自然と不思議な世界へと入り込んでる感覚が堪らない。
琉花を通して一足先に夏を体験できたような、そして今年の夏どこか冒険してみようかと思わせてくれるような素敵な映画でした。
【ネタバレ】映画『海獣の子供』の考察
映画中に少しSFチックというか知っておくと、より楽しめそうだなと思えるポイントがあったので紹介したいと思います。
時間の解釈
私達は当り前のように時間軸に沿って生活しています。
しかし、この世界には時間は存在しないのでは?という話も実はあります。つまり時間は私達の中に存在しているということです。
映画で点と波の話が何度が登場しましたが、これがまさに時間解釈を示しています。
量子力学によれば量子には点と波二つの状態があるとされています。
私達が暮らす世界では点がほとんどを占めていて、映画でも言われていた通り言葉も点のようなものです。
点の状態では特定のポイントに限定されるため時間という概念の上で成り立ちます。
しかし波の状態では生まれません。これがクジラの歌うソングと結びつきます。
他にも劇中には時間解釈を表現する描写がいくつかあったので注目してみて下さい!
さいごに
いかがでしたか?
宇宙と人間の話などなるほどなあと思える要素が満載で、生命の神秘について触れられる作品です。
天才達のハーモニーを楽しみたい方はぜひご覧ください!